不動産の名義変更
亡くなった方の名義から相続人の名義に変更する手続きで、司法書士の専門業種となります。
名義変更の手続に期限はなく、そのまま放置していても罰則は有りません。ただし、次の世代へ所有者が移った後に名義変更をしようとした場合、放置した間に利害関係者が増えることになり、手続きや費用の面で多大な負担がかかることになり、デメリットの方が大きいです。
用意するもの
不動産の名義変更で必要になるのは、通常、以下のようなものが該当します。
- 戸籍
亡くなった方の死亡から出生までの戸籍
相続人の現在の戸籍 - 遺産分割協議書
- 不動産を相続する方から司法書士への委任状
- 評価証明(登記申請する時点の年度のもの)
- 相続人の印鑑証明原本
- 亡くなった方の住民票の除票
登記簿謄本に記載している所有者の情報と一致しているかどうかの確認に使います。違う場合はそれにつながるような資料を請求されますのでご注意ください。 - 不動産を相続する方の住民票
- 登記情報・謄本・公図(申請には使いませんが、確認のために用意します。)
注意点
不動産の名義変更では、主に次のような注意点があります。
1. 評価証明
名義変更申請時の年度のものが必要です。評価額が変わると、登録免許税も変わってしまう為注意が必要です。最新の評価証明があるかどうかの確認(4月1日に新しい評価証明が発行されます)
2. 印鑑証明の期限
他の手続きを違って、「3か月以内」の縛りがありません。
3. 謄本の情報と現状の不一致
謄本上の所有者と現在の住所が違う場合
住所がつながるように別途説明できる資料が必要です。
不動産の名義が、被相続人ではなく、もっと前に亡くなった人の名義
当時の相続人を整理するためにさらに戸籍が必要で、当時の相続人から署名捺印をもらう必要があります。
既に建物はないが、建物の登記だけが残っている場合
滅失登記という手続きが別途必要です。
口座の解約と名義変更
残高証明を取得し残高があることが把握できた場合に、口座の解約をして相続人様へ名義変更をする手続きです。何度か銀行に行く必要があり手間のかかる作業です。通常、①②③の3回の手続きが必要です
① 死亡の届出と必要書類の受領
窓口に亡くなった旨と残高証明の申請をし、各金融機関専用の必要な書類を受け取りま
す。この時点には、財産の分け方は決まっていません。
金融機関によって窓口の対応が違う場合がありますが、金融機関では窓口で残高証明の申請も可能で、死亡届の記入をもとめられることもあります。また下記書類がそろっている場合は受任者で対応が可能です。
用意するもの
- 亡くなった方の死亡戸籍
- 相続人(委任者)の戸籍
- 委任状
- 委任者の印鑑証明原本
- 委任者の身分証明書
- 受任者の印鑑証明書原本
- 受任者の個人実印
② 遺産分割協議の提示
相続人の中で遺産分割の内容が決まったら、金融機関に行き、解約書類の書き方を確認します。相続人全員の記入押印が必要なのか、または受任者の記名押印のみで可能なのかなど金融機関によって違うので注意が必要です。また、振込用紙など記名が必要となる書類があるかの確認も必要です。
③ 解約書類の提出を行います
1回目の訪問時の書類の他に下記書類を用意します。
(① 以外に)用意するもの
- 遺産分割協議書の原本
- 印鑑証明の原本
- キャッシュカード・通帳
- 金融機関指定の用紙
- 相続する方の振込先の通帳のコピー
証券会社の移管手続き
基本的に、現金化せずに商品のまま被相続人の口座から相続人の口座に移動する手続きとなります。
① 証券会社へ死亡の連絡と必要書類の郵送をしてもらいます。
② 証券会社へ指定の書類を返送します。
- 各証券会社指定の死亡届
- 戸籍一式
- 委任状
- 委任者の印鑑証明
- 受任者の身分証明書報告
③ 相続用紙の提出
記名押印済みの指定の相続用紙を提出します。
④ 移管手続
証券会社内の相続財産を相続する相続人が、口座を持っていない場合には、相続人名義の口座を新規開設する必要があります。
⑤ 現金
現金化したい場合は相続人から直接、証券会社へ連絡する必要があります。